アイビジョン株式会社|荒巻基文|教授,講演,セミナー,学会活動,著作,海外

メニュー
荒巻基文 連載
生き生き仕事人DVD&WEB教材「ぐーんと収益の上がる仕事術」
オフィシャルブログ|荒巻基文の「生き生き仕事人」
荒巻基文 連載|コンサルティングセールスの極意
荒巻基文 連載|プレゼンは“心理”で成功させる!
荒巻基文 連載|脱・指示下手

千年ビジョン(荒巻基文 著)

21世紀という新しい世紀を、そして新千年紀が開始して10年が経過したところで、新ミレニアム(千年紀)への想いを綴ってみようと思います。

現在の社会一般の関心事は何かと考えたならば、多くの人が環境問題をあげることでしょう。「地球温暖化」が進行し数百年以内に地球は滅亡するかもしれないという人もいます。
それに、世界の人口は増え続け、地球人口は100億人を越えることでしょう。貧富の格差はますます大きくなり、天然資源や水資源も枯渇して、大きな戦争が起こるのではないかという人もいます。

また日本では多くの人が「少子高齢化」をあげることでしょう。若年層がどんどん減っていって、20数年後にはひとりの働き手がひとりの高齢者を支えなければならなくなる。税金は60%にも80%にもなるのではないかと。

国内だけの問題ではありません。数十年もすれば、中国は軍事的にも経済的にも世界一の大国となり、台湾を飲み込み、沖縄を併合し、日本は中国の属領になっているのではないかと。

どうやら、新ミレニアムの幕開けは日本にとっても、世界にとっても、地球にとっても先行きの暗い状況のようです。一体21世紀の始まりは、地球破局への序曲なのでしょうか。

現在を見て未来を創る

おぞましい未来を夢想するのは一旦おいて、現在の私たちの姿を見詰め、未来に何をなすべきかを考えることは一つの救いの方法だと思います。すなわち、人間には向上心または発展と調和を求める心が備わっているという前提に立ち、良心ある者がより良き明日を創っていこうと努力することで未来を明るく変えていけるという考え方です。

P.F.ドラッカーは彼の著書『プロフェッショナルの条件』の中で自らが向上したいと気づいた経緯を振り返りこう述べています。

19世紀の作曲家ヴェルディが80才の時に作った『ファルスタッフ』という、信じがたい力強さで人生のよろこびを歌いあげる、そのオペラを聴いた後、ヴェルディが十分名をなしたにもかかわらず、80才になってなぜこのような難しいオペラを書くという大変な仕事に取り組んだのかという問いに「完全を求めて、いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」と答えたことを知り、強く心に決めたといいます。

ドラッカーは、一生の仕事が何になろうとも、いつまでも諦めずに、目標とビジョンをもって自分の道を歩き続けよう、失敗し続けるに違いなくとも完全を求めていこうと決心したとのことです。何かを為すときには、たとえ神々しか見ていなくとも、完全を求めていかなければならないということを肝に銘じているといいます。

さらに、ドラッカーは「人は何によって人に知られたいかを自問しなければならない」と言っています。そして、本当に知られるに値することは、本や理論によってだけではなく、人を素晴らしい人に変えることによってであると言っています。そのためにこそ私たちはたゆまぬ自己変革をしていこうと心を定めるのでしょう。

このドラッカーの気づきは人間が人間たる理由に気がついたとき、きっと誰しもが発見する魂の欲求ではないかと思います。

それでは、私たちは己を磨き、自己成長を促すためにどのような自己鍛練をしていけば良いのでしょうか。

アイビジョン株式会社では、21世紀に求められる人材像を洗い出そうと研究をしていますが、ビジネスモデルも人々の価値観もガラガラと変わって行くこれから数10年くらいの間は、次の3つの方針を実践することが私たちにとって共通の自己変革の課題ではないかと思っています。

・ 人間力
・ 自己発信力
・ 異価値間調整力

人間力とは、松下幸之助氏がよく使った言葉です。私の定義で人間力とは、「人間としての輝き」のことです。すなわち対人影響力のことです。その人のところにはいつも人が集まってくる。その人と話しをしていると何かもっと聞きたい気がしてそばを離れたくない。

ドラッカー氏のところに多くの人々が集まり話しを聞きたいと思うのは、おそらくドラッカーに常に向上を目指し自己変革を進めているという姿勢と、未来を読む・トレンドを見抜く見識があるからだと思います。

ではそのような輝きは一体どのようにしたら身につけることができるのでしょうか。

人間力を高めるためにはまず知力を鍛えることです。今まで本を月に一冊読んでいたなら、月に二冊か三冊は読もうと決めること。新聞は一紙だけしか読んでいなければ、せめて二紙か三紙に目を通してみること。また、自分の関わる仕事仲間だけと付き合うのでなく、異業種交流などに参加して人脈を広げること。そして、自らの専門分野の他に、二つ目の井戸を掘り、もう一つの強みを作ること。

知は力です。情報を入手し、知力を鍛え、そして良く考える時間をとること。これらが人間力を高める戦術といえるでしょう。

知力が高まり、見識ができた、アイデアも豊富で未来も読める(まるでドラッカーのようですが)ようになってきた。しかし、異なる考えを持っているかもしれない相手に、自分の考えを分ってもらうには、相手が納得できるように伝えなければなりません。

そのような能力のことを自己発信力といいます。言語・非言語表現スキルを駆使して聞き手が納得する話し方ができること。考えてみれば、近年のアントレプレナーがそのユニークで優れた発想を説得力あるビジネスプランにまとめエンジェル(投資家)や銀行家に資金を出させるというのはまさに自己発信能力の賜物です。

昔から口八丁で人からお金を巻き上げる輩はおりました。彼らは詐欺師と呼ばれています。起業家(アントレプレナー)との違いは、目的が世のため人のためでないことと最後まで責任を取らないことです。

人は自分の考えをしっかり自己主張する権利を持っています。いや、自己主張できない人はこれからの社会ではリーダーシップをとることは難しいでしょう。しかし忘れてはならないのは、自己発信する権利を行使する者は、必ずその言動に最後まで責任をとる義務をも持っているということです。

このような、しっかりした自己発信力を身につけるにはどうすればよいのでしょうか。

自己発信力を高める戦術は、まず自分の発言の論理性を高めることです。コミュニケ−ションがますますグローバルな状況で起こるようになり、ある特定地域でのみ通用する暗黙知をベースにしたコミュニケーションの方法、よく「日本的な」という形容詞で言われる示唆的発信は通用しにくくなっていると言わざるを得ません。

論理的とはまず、主張が明確であること。すなわち何が言いたいのかをはっきり言うということです。そして、なぜそう言えるのかという証拠やデータ、例を示すこと。その上で、その証拠が主張を裏づけている論拠を示すこと。この論拠が時には理念となり、または哲学となって相手を納得させることに貢献するのです。

言語による論理性や話しの構成に加え、「声」や「間」などの準言語スキル、そして顔の表情、姿勢、ジェスチャーなどの非言語表現スキルなどを学ぶと共に、日々意識して練習することが求められます。

相手が納得するように発信したとしても、それでも人と人はぶつかるものです。人間は自ら悪意を持って生きることは無いと信じますが、発言・行動の自由を持っているために、その自由と自由のぶつかりの中から相克や軋轢が生まれ、悪意が生じることもあるのです。

そこで、自己発信力の次に求められる資質が、異価値間調整力です。異なる価値・多様性を尊重し、異質なもののぶつかりを調整し、双方に受け入れられる新たな価値を創造できる能力のことを異価値間調整力と呼んでいるのです。日本の業務革新の方法としては、「協創」とか「共生」といわれる考え方です。

また、欧米でも「コラボレーション」といわれ、1+1=2ではなく、1+1>2となるような関係と考えてもよいと思います。ハーバード・ビジネススクールではWin-Winの関係をいう言い方で、双方にとって受け入れられる第三の道作りを勧めています。

S.コヴィー博士の『7つの習慣』にも第4の習慣で、Win-Winの関係を目指すことを提唱しています。そして、Win-Winに至るためには、まず相手を理解しその後で自分を理解されるというステップを取るようにとも提唱しています。(第5の習慣)

異価値間調整力を高めるためには、積極的傾聴スキルや建設的自己主張のスキルを学び、相手の表面的な言葉だけではなく、その奥底にある感情や願望にまで関心を寄せ、耳を傾け、聴き取った心の声に共感を示していくことを常日頃から心がけることが大切でしょう。

このように、人に良い影響を、そして慈しみとより大きな愛を与えるために自己変革しようという姿勢が人々に勇気を与えるのです。このような魂の本来の欲求を高めたいと願う人が世の中に満ちれば、それが明るい未来を拓く力となります。

志を高く持ち、目標を細分化して優先順位をつけ、優先度の高いモノから順に各個撃破する。そしてそれぞれの小目標を一転突破し圧倒的な成功をおさめるように実践していけば、必ず誰でも素晴らしい自己変革からの自己成長を遂げられると確信します。

未来から見て現在を創る

現在の自分をできる限り輝かせ、人々の明るい思いによって未来を明るく変えていくというのが地球 を救う未来への戦略の一つでありますが、それだけでは理想の1000年後が見えてきません。

そこで、未来を拓くもう一つの戦略を考えてみましょう。それは、未来のあるべき姿をしっかり描き 、そこに至るために現在何をなすべきかを考えるという方法です。志・目標が高く、一見難しそうに思え たとしても、それが人々の心を強く打ち、理想に向かって努力しようという集合想念が出来てきた時、世 の中は大きな力に導かれるように変化を遂げていくものです。

J.F.ケネディ大統領が月に人類を送ろうと呼びかけたとき、誰もが不可能と思ったことに真剣に取り 組み、見事その目標を達成したように、大きな理想は人々の能力を格段に高める力があるのです。また逆 に、暗い想念や悲観・絶望からは決して明るい未来は生まれません。

B.オバマ大統領も、2050年頃に人を火星に送りこもうとビジョンを語っています。政治家というもの は、自分の任期の間だけの政策を全うするだけでなく、将来の懸念に対処し、未来の希望を提示すること が必要です。その点が日本の政治家に最も欠けているところではないかと思います。

ガイア理論で地球に意志があるとするならば、今地球にはびこっている無気力や失 望論、罪悪感、人の心をないがしろにする唯物論などのマイナスの想念が、現在多発している天変地異な どの原因でもあるのかもれません。

すなわち、現状を不快に感じている地球が、温暖化や異変などにより、未来に対する警告を発してい るとも思えるのです。

これらの自然災害は現在の我々の(物理的)力では食い止められません。ではどうすればよいのでし ょうか。

その方法は、まず平和な未来のイメージを描き、共有し、信じることから始めることでしょう。その ためには、国や世界を引っ張るリーダーが、積極的に1000年も持ちこたえられるようなビジョンを示し、 人々がその実現に向かって努力することだと思います。

未来から見て現在を創るとは、まず人間として、いや地球としての理想を描くこと。そしてそのビジ ョンに共鳴する人を増やし、人々の善き念いを集める、その人達の集合想念でもって未来を創り上げてい くということです。

未来は決まっているのではなく、私たちの未来への念いが未来を創っていくのです。自然環境さえも 私たちの思い描く未来の一部です。

大きな理想に向かうためには、現在すべきことは大きいことが分かるはずです。でも、やる価値があ ると思います。

世界は今までも、何人かの高い志を持った人により感化され、引っ張って来られました。圧倒的な善 念で、本当に理想を実現したいと思う一握りの人々から大きなうねりが起こり、地球が善き想念で満たさ れたとき、きっと1000年後の地球はユートピアとなっているのではないでしょうか。

実現へのチャンスはあるか

20世紀は一つの文明実験のたったの100年間でした。戦争や社会主義、唯物論では人間を幸福にできな いことはかなりの確度で証明されたと思います。

21世紀も来るべき1000年のための新たな実験の100年ともいえます。今度はもっと心の価値を中心とし た実験をしようではありませんか。私たちの子供たちのために、その子孫のために、美しい地球をより美 しく伝えていくために、心の教えを取り戻したいと思います。

そのために、教育の役割は大きいと思います。一人ひとりがこれから1000年生きるのだという気持ち で未来にコミットしましょう。

理想の未来を見つつ、現在の変革を考えましょう。自分の分身として育くんできた子供たちが、いや 自分自身が未来にまた生きたとしたらどのような世界になっていてほしいかを考えましょう。

そして、そのために今何をなすべきかを考えたいものです。愛と智慧と勇気で1000年続く発展を目指 しましょう。そしてまた1000年後、私たち地球人の子孫が新たなミレニアムを迎えることができるように 。

実現のチャンスは十分あります。なぜなら、全ては私たちの念(おも)いが決めることだからです。

21世紀に是非根づかせたい5つの考え方・価値観

与える愛、他人の尊厳を大切にできる心、まず人に関心を持ち、思いやりを与えることからはじめよう。
知力を力とせよ 真理を探究する姿勢を教育せよ。傲慢にならず目に見えない価値を大切にしよう。
反省 おごるなかれ 常に自らの行いと思いをチェックせよ。反省は後退ではない。大きな飛躍・発 展の種である。積極的反省が成長を生む。
発展 発展・繁栄を肯定せよ。発展と調和で地球は進化する。人間もまた永遠の発展を目指すことが使命である。明るい未来は自らの念いによって開けると信じよう。
勇気 弱さに負けるな、不正に負けるな、臆病に負けるな 常に正義と誠実が勝利することを教えよう。

愛・知・反省・発展を勇気を持って実践していきましょう。人々が調和し繁栄を共に分かち合っている姿、地上が天国のように愛と幸せに満ちている姿。地上ユートピアこそ私の千年ビジョンです。( 荒巻基文)

アイビジョン株式会社
Copyright(C) I-VISION All Rights Reserved. 1999-2014